Nadja の日記
2012-04-17 22:05:15  電力問題

今年の夏を甘く見ない方がいいと思う。

去年は大震災直後で、全国的に節電モードに入っていたので夏も何とか凌いだのだけど、今年はだいぶそのへんの意識も薄らいでいて、去年ほどの自主節電は期待できない。しかも、去年はまだ稼働中の原発もあり、電力供給はわりと余裕を持って運用ができていたようだけど、今夏は原発がほぼ稼働していない状態で迎えることになることが予想される。

とはいえ、キャパオーバーで大規模停電という事態は避けなければならないわけで、そうなると、去年の震災直後に東京電力管内で行われていたような輪番停電(計画停電)や、企業や工場への供給制限などが実施される可能性は高い。

実際にこれらの対策が実施されると、生産量は低下し、都市部での経済活動は大幅に抑制される。その経済損失は甚大なのだけど、今の国民(世論)は経済よりも身の安全の方を優先しようというのだから、電力不足で不景気が促進されたとしても文句をいってはいけない。

いや、必ずしも原発が必要だという気はないですが、今のところその代替し得る現実的なエネルギー源は今もなお価格高騰を続ける石油しかないのだから、去年時点で国内の電力のおよそ3分の1を賄っていた原子力が全部止まって代わりが火力となればどう考えても電気代は急騰するしかない。特に原発依存度の高い関西電力管内はその状況がより厳しいはずで、それで経済が良くなるという話はないわけです。

安全性を求めるということ、つまり原発を使わないということは、そことのトレードオフだということをしっかり認識しておく必要はあると。

といっても、人間は都合のいい動物で、原発はダメ、電気代が上がるのもダメ、電力供給制限もダメ、停電するのも当然ダメだというわけですね。全部は無理。そのどれかを選択しなければならないのは必然で、それをやるのは政治の仕事なんですが、どれをとっても相応のリスクがあり、そこに怖気づいて動けない政治というのはみっともないという話。

どれをとっても国民からはほぼ同程度の文句をいわれることになるのだから、さっさといずれかに決めれば良い。ただ、決めたからには、その政策に対する裏付けは当然必要で、原発を動かすならその管理体制をしっかり構築しないといけないし、原発をやめるなら代わりの恒久的なエネルギー源を確保する道筋をつけなければならない。何かを決めることと、決めたことに対して最善を尽くすことというのは、どちらも政治の仕事で、これは昔から変わっていないはず。

ちなみに、近年の政治に言及するなら、以前の自民党政権はわりかしいろんなことをパッパと決めていた気がする。ただ、その政策実行にあたり最善が尽くされていたかというと甚だ怪しい。そして今の民主党政権は決めることすら碌にできていないという印象。


コメントの書き込み
名前
内容

(左の文字列を入力)