Nadja の日記
2012-04-16 22:26:14  サブカルチャー

個人的に、サブカルチャーの良いところはお金儲けが絡まないところだと思うんです。絵とか文章とか音楽とか、そういうものを創作する側は、純粋に良い作品をつくって、なるべく多くの人にそれに触れてもらいたいと思う。ただ、そういう創作活動をするにはある程度の資金も必要なわけで、例えば材料費程度の見返りを要求することはあるけど、それは儲けるという話とはちょっと違うと思う。そして、そういうのを好む人はわりとそういう方面にお金をかけることに抵抗を感じてないようで、結果的に需要と供給が上手く折り合っていると。

昨今、そんな同人音楽界隈ではボーカロイドという音声合成エンジンとその歌声ライブラリを駆使して自分でつくった音楽に歌詞をつけて機械(ボカロ)に歌わせるということがニコ動を中心に盛り上がっております。このボカロも、それを使って作曲活動する人というのは、あくまで音楽が好き、DTMが好き、ボカロというガジェットが好きといろいろ動機はあるにしろ、純粋に創作活動を趣味としてそれを楽しんでいると思うのです。とにかく良い作品をつくりたい。つくったものを動画共有サイトで発表して多くの人に聴いてもらいたい。この場合もお金儲けとはおよそ無縁な世界。

が、どうも最近そうでもなくなってきてる感がしてるのですよね。

ボカロに企業がお金の匂いを嗅ぎつけてきたようであると。動画サイトで無料でいくらでも聴ける作品をCDにしてみたら、これがわりと売れたわけですよ。人気曲にもなればカラオケにまで配信されるという、最初は同人作品だったものが、今は市場で立派な商品として売られ始めているわけです。

私が懸念するのは、ここにも版権だとか著作権だとか、そういうものを盾に使用料とか訴訟商売のようなことが始まるんじゃないかということでして、もともと作者は完全フリーで配信してたはずの作品を、横から何かと理由をつけて版権をとった会社が何か変な権利を主張し始めたりするなどということが起こらないともいえないんじゃないかと。曲の作者だって企業から金を積まれたらそれに手を出さない保証はないですし。人間だもの。

サブカルチャーはあくまでサブカルチャーとして、当初の純粋な動機のもとで暗躍していて欲しいなぁと、私なんかは思うんですよねぇ。


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